しばらくはこのままでいよう

見知らぬ世界への憧れと怖れを抱いたまましばらくはこのままでいよう。

数日後のデートの時、彼はそのことには触れず私もあえて聞こうとはしなかった。

このままでいてくれるなら今までどおり幸せな気分でいられる。

私は少し安心していつものように彼と会うための口実を作った。

考えた上で見つけた口実は彼にギターを教えてもらうことだった。
私がギターを弾き始めたのは高校に入学してからで部活でもギター部に入っていた。

少しだけ弾けるようになったのは グリーンスリーブスだけどまだおさえられないコードもあり彼にそのことを伝えた。

「コードって何度もくり返して憶えるほかに近道は無いよ」というのが答えだったけど本来の目的はデートだったから無理に都合をつけてもらった。

当日は市内の公園でベンチに腰かけて教わったけど、どちらかといえばそれは口実、教わる態度が悪い私に彼は言った。

「やる気あるの?」

このときはまだ甘えすぎていた私・・・つい「知らん」といってしまった。

その言葉を聴いた彼は自分のギターを片付け始めた。

「どうして?」その言葉に彼はいつに無く厳しい口調で「人に物を教わる姿勢が出来ていない」とバッサリ・・・。

当然といえば当然

彼だってヒマをもてあましてこんなことをしているわけではない、自分の態度を反省して涙目で謝ったがこんな時すぐに微笑んで許してくれるのも彼のやさしさだった。

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