ころばぬ先の不安

冬休みも終わりに近づき彼との再会の日も迫ってきた。

会ったそのときに私がペアのセーターを着ていたらどんな顔をするかなあと楽しみだったけど残念ながら彼の服装は違っていた。

待ち合わせはいつもの喫茶店でコーヒーを飲んだあとで彼は歌い始めた。

いつもの空間が戻ってきた。

私が心待ちにしていた日常だ。

冬の間は彼のバイクに乗せてもらうことはできないけど一緒に歩くことはできる。

そして、二人の仲は同級生をはじめ、お互いの知人にも知れ渡っていた。

どれほどウワサされても私は誇らしげだったし、彼もテレながらも嫌な顔はしなかった。

ただ、時おり見せる優しい表情とは裏腹に極端に喜びも表現しない点については不満と不安を覚えた。

怖いのは、お互いの卒業

その日まで2年しかない

いいえ、2年もあると言うべきなのかもしれない。

この様に一緒に過ごす時間は去年の春には、まだ夢だったのだから。

今では彼からの電話も家族は当然のように繋いでくれるし、大方は認められた仲といってもいい。

今がよければ先のことなんてと考えていたのはずっと昔

贅沢かもしれないけど、この状態が終わるのはイヤだ。

ただ、このまま彼を繋ぎとめておく術を私は知らない。

全てを投げ出す覚悟はできているけれども彼にとっては迷惑かもしれない。

甘いものの嫌いな彼に送るバレンタインはどうしようかと頭を悩ませながら、そんな思いもふとよぎった。

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